研究内容

研究内容

研究総論

研究総論

 私たちの研究室は、リハビリテーションの課題解決や病因病態論の補足的要因の解明をすべく臨床身体活動学の基礎・応用を行っています。
 臨床身体活動学では、確立された細胞や遺伝子レベルのinVitroの研究とは異なるチャレンジが求められます。人間個体での生体機能・運動機能を束ねた身体活動の定量化と同時並行的に病態・病因分野の研究あるいはリハビリテーションに貢献する研究を進めなければなりません。

 私たちの研究室では次に揚げる3つの研究を進めています。

  1. 身体活動の定量化研究
    健康な人々の身体活動の定量化を基に疾病や障害をもつ人々の固有の身体活動の定量化技法の開発を行っています。生物系における栄養摂取と運動・身体活動によるエネルギーの消費の仕組みの理解に基づき生理学的要因と人の運動幾何学的要因、認知的要因の単独効果や複合要因効果を調べています。
  2. 臨床的生体機能研究
    非侵襲的に測定・観察しうる血管機能と疾病・障害の状態との関連性を主として実験疫学的手法を用いて調べています。対象として糖尿病(予備軍)・脳血管障害者の末梢血管機能をターゲットに動脈硬化症に関する複合的要因の分析を行っています。現在、大学生の食後血糖スパイクの出現者における食事栄養・運動の効果がもたらす脈波伝搬速度への影響を調べ、運動処方の開発研究を進めています。
  3. 公衆衛生学・リハビリテーション領域の研究
    人の感覚機能の低下、喪失に伴う、身体活動の制限を生じるハイリスク集団において、実際の生活場面で行動支援・危険回避支援を行うための情報機器の利活用・健康づくりのための健康リテラシーの向上に関連する人間特性の抽出に関する研究を行っています。 現在、視覚障害者の感覚・知覚代償支援機器の開発・普及のためのフィールド研究や、沖縄県の長寿地域における現役で生産活動を営む超高齢集団の生体機能の特徴抽出ためのコホート研究などを進めています。

このほか情報技術・理学療法の治療技術を応用した、新たな人間の健康課題解決に役立つテーマをマクロ的な手法で追求します。