臨床工学を学ぶにあたり、基礎として理解しておく必要のある現象・原理・実験方法・技術などを、実験を通して習得します。先進・高度化する医療機器に対応できる基本的技術とコミュニケーション能力を身に付けます。
学科の特徴Feature
群馬パース大学の
臨床工学科ってどんな学科?

チーム医療を実践的に
学べる
臨床工学技士は医療現場で幅広い業務を受け持つとともにチーム医療の一員として欠かせない存在であり、他職種へのコーディネーターとしての役割や知識が求められます。本学科では医工学の知識修得だけでなく、他学科との連携を通して多職種間で互いに理解・協力し合える人材育成を行っています。また、医療機器メーカーなどの分野で活躍する方々を講師に招き、臨床工学技士がどのように活躍しているのかをお話しいただき、医療現場に適した深い知識を修得します。

経験豊富な教員による
指導
臨床経験豊かな臨床工学技士、医師、および工学・文系で構成した教員で学生教育に当たっているため、それぞれの専門分野に根付いた幅広い知識と技術を身に付けることができます。

教員との距離が近い
各教員の研究室と同一フロアに学生との連絡用掲示板や図書室がレイアウトされているため、研究室に学生は足を運びやすく、日常生活の相談など気軽に話せる雰囲気を学生と教員が共に作っています。

充実した個別学習指導
成績が低迷している学生に対しては試験前に個別面談から問題点を見つけ、学生と共に問題解決を行います。授業後にゼミ室や研究室を利用して勉強できる環境があり、成績が向上した学生が数多くいます。また、学会などで学生の研究成果を発表する機会を設けるなど学生一人ひとりへの研究援助も積極的に行なっています。

医療専門職としての誇りや倫理感を身につける
1~3年次の希望者は、夏休みを利用して医療施設見学や医療機器製作工程などの工場見学を行うことができます。臨床工学技士が医療現場や企業で活躍する姿を見ることで、医療専門職としての在り方や考え方を飛躍的に発展させることができます。また、現場の生の声を聴くことは、医療機関での臨床工学技士像が明確にイメージでき、学生にとって大きな就職支援となります。

第1種、第2種
ME技術実力検定試験の
合格を目指す
医療機器に関する安全管理の知識や臨床現場に近い専門知識の習得を図る、第2種ME技術実力検定試験を2・3年次に挑戦させています。また、第2種ME技術実力検定試験に合格した学生に対しては第1種ME技術実力検定試験の合格を目指し、積極的に学習の援助を行っています。2019年度は第1種ME技術実力検定試験に2名が合格しました。

理解度を高める臨床実習
実習内容に対する学生の理解度を高めるため、臨床実習期間を7週間(実習Ⅰ期、実習Ⅱ期)と比較的長くとっています。臨床実習を数グループに分けることで、少人数体制による知識の定着と高い理解度を得ることができます。

国家試験へ向けた
サポート
○個別指導型:卒業研究に関わる指導教員1名に対し学生5~6名の少人数体制で国家試験の対策に取り組みます。
○全体指導型:4年次の5月から12月まで、国家試験の模擬試験を毎月実施し、弱点を個々が把握していきます。
4年間の学びLearning
基礎医学、臨床医学はもとより、物理学や化学、電気などの理工学、
臨床工学や医療機器に関する知識・技術など広範囲に学習します。
医療機器の適正使用や安全使用の知識を習得し、
さらには医療機器の開発設計にも貢献できるような発展的研究も行います。
診断学、治療学、看護学など関連分野からも学習し、医療現場に適した深い知識を習得します。
学科教育目標
- 人間を総合的に捉え、人間に深い愛情を持つ、豊かな人間性を有する臨床工学技士の育成
- 複雑化・高度化する医療技術に対応し、
医療現場における安全性の向上に貢献できる確かな技術と知識を有する臨床工学技士の育成 - 思考力、洞察力、判断力を持ち、医療の現場における諸問題に的確に対応できる
問題解決能力を持った臨床工学技士の育成 - 医療者としてのマナーとモラルを重んじ、
高い倫理観を備えた臨床工学技士の育成 - 医療を総合的に捉え、医療現場における
チーム医療の一員として他職種との連携・
協働を推進できる臨床工学技士の育成 - 臨床工学技士という職業について高い誇りを持ち、生涯に渡り自己研鑽を続ける、向上心と使命感を持つ臨床工学技士の育成
- 医療分野におけるさまざまな国内外の課題に対し、自ら進んで問題意識と研究意識を持ち、医工学の発展に寄与することのできる臨床工学技士の育成
学びの流れ
1年次
2年次
3年次
4年次
-
臨床工学の
基礎を学ぶ社会人として必要な教養を身につけ、臨床工学の基礎を学びます。医学・工学の基礎知識・技術を学び、医療専門職としての基盤をつくります。
学び紹介
基礎工学実験
病院見学研修
臨床工学技士の知識が少ない中で、臨床現場の業務内容を理解するために、1年次に病院見学研修を行っています。自分の将来像をじっくりと考え、より一層勉学に励むことを目的としています。
臨床工学科の学生
赤羽根 郁也さん(2019年4月入学)
1年次の「基礎工学実験」ではグループに分かれ、それぞれ役割を決めて、話し合いながら1つの答えを導くなどしてグループワークの面白さに触れることができたので印象に残っています。高校の時は物理を勉強していませんでしたが、群馬パース大学では教養科目などの基礎を学べるので不安なく過ごすことができました。
1週間のスケジュール
※赤…必修科目、黒…選択科目
-
医療機器の
知識を習得臨床工学に必要な臨床医学と理工学の基礎知識を学び、それを医療機器に応用するための知識・技術を身につけます。
学び紹介
医用電子工学実習
ダイオードや演算増幅器(オペアンプ)などを用いた実験を通して、医療機器に使われる電子部品や電子回路の特性や動作原理を確認し、理解します。また、実験やレポートを通して、コミュニケーション能力を養い、互いに協力して成果を上げることを学びます。
多職種理解と連携
医療現場は多様な職種で医療チームをつくり、良質で安全な医療を実現するための「チーム医療」が不可欠です。質の高い医療の提供を目標に、自らの専門性をいかして多職種協働できるようになるために、チーム医療を理解します。
基礎医学実習
心臓病、糖尿病、腎臓病、呼吸器病などの疾患理解のために、血圧計、聴診器、非接触型体温計、超音波ドップラー検査、心臓カテーテル検査、酸素飽和度などの測定装置・機器を自ら取り扱い、測定原理を理解し、自己血糖測定などを行います。ブタの肺、心臓、腎臓の解剖では、各臓器の不思議・神秘に触れ、全22回の実習終了後には、臨床医学的な基礎を習得します。
生体計測装置学実習
臨床現場で的確な診断、治療行為を行うためには生体から発信される様々な情報を正確にキャッチする必要があります。生体計測装置学実習では、集中治療室や病室に設置され、血圧、心拍数、呼吸数などのバイタルサインを測定して患者さんの状態を把握する「ベットサイドモニター」などを実際に操作することで臨床にむすびついた知識・理解を深める授業を実施しています。
臨床工学科の学生
羽賀 紗也夏さん(2018年4月入学)
2年次からは専門科目が増えて勉強についていけるか不安でしたが、先生との距離が近く、アットホームな雰囲気の中で勉強ができているので不安は解消されました。「医用機器安全管理学実習」の授業では企業に訪問し、実際に医療機器の作成工程を見ることができ、刺激を受けるとともに、企業でも活躍する臨床工学技士の存在を知ることができました。
1週間のスケジュール
※赤…必修科目、黒…選択科目
-
専門職としての
自覚を持つ学んできた理論・知識・技術を基に、医療技術の提供に必要となる実践的な技術を身につけます。チーム医療の一員としての臨床工学技士の役割と責任を理解します。
臨床実習
臨床実習Ⅰ・Ⅱ(7週間)
実習施設
群馬大学医学部附属病院/群馬県立心臓血管センター/公立富岡総合病院/高崎総合医療センター/北関東循環器病院/桐生厚生総合病院/前橋赤十字病院/西片貝クリニック/新橋病院/岩手医科大学附属病院/山形大学医学部附属病院/星総合病院/国際医療福祉大学病院/栃木県済生会宇都宮病院/自治医科大学附属さいたま医療センター/埼玉医科大学総合医療センター/埼玉医科大学国際医療センター/埼玉医科大学病院/獨協医科大学埼玉医療センター/埼玉県立循環器・呼吸器病センター/草加市立病院/さいたま赤十字病院/新松戸中央総合病院/亀田総合病院/千葉メディカルセンター/東京腎泌尿器センター大和病院/練馬光が丘病院/三井記念病院/諏訪赤十字病院※2020年度予定施設学び紹介
体外循環装置学実習
臨床工学技士が手術室の業務で携わる人工心肺装置の操作など医療機器について学びます。人工心肺回路の準備や組み立て方法を理解し、操作の基礎知識を実践的に学びます。
血液浄化療法装置学実習
血液浄化療法に関わる医療機器(血液透析装置等)と関連機器の原理、構造、仕様、操作方法、保守管理方法について実習を通して理解します。また、臨床における患者対応や治療の流れを理解することにより、医療人としての心構えを学びます。
呼吸療法装置学実習
自力での呼吸が障害された場合に装着する人工呼吸器や呼吸治療に関連する医療機器の原理や構造、機能、操作方法、点検方法について、実際の装置や機器に触れながら学びます。また、人工呼吸器の装着によって生体へどのような影響を及ぼすのかシミュレーションを行い理解を深めます。
臨床工学科の学生
藤本 浩太さん(2017年4月入学)
医療機器の基礎知識をもとに、3年次後期から学内実習が始まりました。実際に医療機器に触れないとわからなかったこともあり、自分の手で機器を操作することで、理解を深めることができました。教員のバックアップで研究にも積極的に挑戦しました。研究成果を学会で発表し、「参加最優秀演題賞(BPA)」を受賞できてとても良い経験となりました。
1週間のスケジュール
※赤…必修科目、黒…選択科目
-
4年間のまとめ
これまでに学んだことを整理し、総合的な理解を深めるために、卒業研究を通して、問題解決能力を養います。
開講科目Curriculum
専門
科目群専門基礎
科目群共通基盤
科目群教養
科目群
-
専門科目群は、多様な疾病や病態に沿った医療技術の提供に必要となる
知識と技術を系統的・体系的に理解するための科目群です。目標- 多様な疾病や病態に沿った医療技術を提供できる理論と実践力を養う。
- 医療者としての高い倫理観を養う。
- 臨床工学を生体医工学として追究するための問題意識と研究意識を養う。
医用生体工学医用機器学生体機能代行技術学医用安全管理学関連臨床医学臨床実習臨床工学の
統合と探求※閲覧したい項目を押すと詳細が表示されます
-
専門基礎科目群は、臨床工学に必要な専門関連分野を
系統的・体系的に理解するための科目群です。目標- 人体の生命現象における総合的な理解を深める。
- 医療で応用される理工学的な基礎知識と技術を養う。
- 医療機器の安全かつ適正使用のための基礎的知識を養う。
人体の構造及び機能臨床工学に必要な医学的基礎臨床工学に必要な理工学的基礎臨床工学に必要な医療情報技術と
システム工学の基礎※閲覧したい項目を押すと詳細が表示されます
-
共通基盤科目群は、保健科学部に共通する学習の基盤を形成し、
チーム医療の担い手としての基礎的な能力を習得するための科目群です。目標- 高等学校教育から大学教育へ円滑な転換を図る。
- 将来、チーム医療を担う一員としての態度を養う。
- 他の医療従事者との協働に必要な問題解決能力やコミュニケーション能力を育成する。
大学の学びの基盤※閲覧したい項目を押すと詳細が表示されます
-
教養科目群は、人間に対する幅広く深い理解や関心、社会とその仕組み及び
社会生活に関する見識、社会人としてのコミュニケーション能力、
情報対応力などの社会的能力、専門教育の基礎となる学習能力、
科学的思考・判断力、主体的姿勢を育てることを目標とする科目群です。目標- 人間に関する幅広い知識を習得し、理解や関心を育てる。
- 社会と社会生活に関する見識、社会人としての判断力、コミュニケーション能力など、社会的能力を育てる。
- 専門教育の基礎となる学習能力、科学的思考、判断力、主体的姿勢を育てる。
人と社会及び自然の理解情報と言語の理解※閲覧したい項目を押すと詳細が表示されます
医用生体工学
医学と工学の関連を理解し、医用工学の基礎知識を体系的に学ぶ科目
工学技術を医療機器に応用するための知識や技術を学ぶ科目
医用機器学
各種医療機器の全体像を把握し、臨床現場での役割について学ぶ科目
臨床で利用される計測機器、治療機器の実践的な知識や技術を学ぶ科目
生体機能代行技術学
人の呼吸、循環、代謝に関わる生命維持管理装置の原理や構造を理解し、基礎的な知識や技術を習得する科目
臨床工学技士の業務に直接的に関わる実践的な知識を習得する科目
医用安全管理学
医療安全に関する概念と安全確保のための基本的な知識や技術を習得する科目
医療に携わる一員として遵守すべき法律や法令について学ぶ科目
関連臨床医学
臨床医学の基本的事項を幅広く理解する科目
救急医療と集中医療の特徴と体制のあり方について学ぶ科目
臨床実習
臨床工学技士としての基礎的な実践能力を身に付け、チーム医療の一員としての責任と役割を自覚することを目的とする科目
応用的な実践能力を身に付け、医療における臨床工学の重要性を理解することを目的とする科目
臨床工学の統合と探求
1 年次から3 年次までに習得した知識や技術を整理及び連携させ、総合的に理解を深めることを目的とした科目
医療分野における問題意識と研究意識をより高めるための科目
創造的な研究を行う能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を養うことを目的とする科目
人体の構造及び機能
人体の構造や機能から疾病の成り立ちを学ぶ科目
疾病と社会の健康との関連を幅広く学ぶための科目
臨床工学に必要な医学的基礎
医学についての基礎的な概念を幅広く学ぶ科目
人体の構造的・機能的・形態的な理解を深める科目
人体の正常な構造・機能が常態を逸脱していく過程から、疾病の状態及び回復の過程を学ぶ科目
看護の概念や定義の変遷から看護の本質を学ぶ科目
臨床検査の意義と臨床検査の基本的な種類・内容について学ぶ科目
細胞の電気的刺激による興奮と電気生理学に関して学ぶ科目
臨床工学に必要な理工学的基礎
医療で応用される理工学的技術及び医療機器を理解するための能力を養う科目
臨床工学に必要な医療情報技術とシステム工学の基礎
医療機器の設計、製作及び機器の安全かつ適正使用のための基礎知識を学ぶ科目
システムに関する理論と技法の基礎を学ぶ科目
医療分野で利用されるコンピュータ、ネットワークに関する基礎的知識や技法を学ぶ科目
物理工学的な実験方法から、実験報告書や論文のまとめ方、プレゼンテーション能力を養う科目
大学の学びの基盤
大学教育に必要なスキルの学習を通して、大学生としての学習・生活を確立すると同時に、専門分野に必要な能力を形成し、専門に対する興味・関心を深める科目
チーム医療の担い手としての力を培うための科目
人と社会及び自然の理解
【心身の発達】発達・行動・心理の各側面から、人間、身体、健康に関する理解を深める科目
【思想及び表現】人間が創造した様々な考え方や表現を学び、人間に対する理解を深める科目
【人間と生活及び社会のしくみ】人間が生きるための土台である生活と人間を取りまく社会に対する見識を広げ、社会への関心、理解を深める科目
【自然の原理及び環境】自然科学や自然環境、人間が創り出した環境についての知識、理解、関心を深める科目
情報と言語の理解
【英語】英語を通して、コミュニケーション力を培い、文化的視野を広げ、他者理解を深める科目
【初修外国語】英語以外の外国語を通して、コミュニケーション力を培い、文化的視野を広げ、他者理解を深める科目
【情報】情報に関する処理方法とモラル、マナーを学ぶことを通して、情報に対する正しい対処法を理解し、深める科目
実習室Facility


臨床工学実習室
模擬手術室・集中治療室があり、心臓手術の際に患者さんの心臓と肺の機能を代行する人工心肺装置などの操作や手術前の医療機器の保守点検作業、集中治療室で使用される生命維持管理装置の操作や保守点検作業を学びます。

基礎工学実習室
臨床工学技士として必要な基礎工学をさまざまな医療機器を用いて学びます。
キャリア・就職Career Support

高い就職率を支える
サポート体制
- 就職に関する悩み・不安を解消キャリアサポートセンター
- 学科教員による個別指導
- 求人票の検索が可能WEBポータルシステム
- キャリア関連のイベント大学独自開催
就職・キャリア支援スケジュール※2019年実績
- 1年次
- 合同進路相談会、就職ガイダンス、就職対策講座
- 2年次
- 合同進路相談会、就職ガイダンス
- 3年次
- 合同進路相談会、就職ガイダンス、就職対策講座、みだしなみ講座、専門職就活講座
- 4年次
- 合同進路相談会、就職ガイダンス、就職対策講座、公務員対策講座