言語聴覚学科では、誰もがありのままにそれぞれの地域で活躍できる「共生の社会」を創り出すために、社会にどのようにアプローチしていくべきかを学生が自ら実践し、考え、学ぶ「地域参加支援演習」という講義を行っています。
講義の中で、「地域参加支援ゼミ」「啓発・広報ゼミ」「デザイン開発ゼミ」「生活支援ゼミ」「共生の街づくりゼミ」「人権尊重ゼミ」という6つのゼミに分かれ、それぞれのゼミで社会の側へ働きかける事業を企画し実践しています。
生活支援ゼミでは、失語症についての啓発を通して、言語聴覚障害の方とのコミュニケーションや言語聴覚士について知ってもらうきっかけを作ることを目的としています。
7月3日(水)、ゼミ学生の出身である群馬県明和町立明和中学校の1年生90名を対象に、「言語聴覚士を知ろう」をテーマとして生活支援ゼミの学生が出前授業を行いました。
授業準備にあたっては、当事者団体の皆さんにインタビューをし、中学生に知ってもらいたい想いを聞かせていただきました。
出前授業当日は、言語聴覚障がい体験として、言葉を使わずにお題を伝えるゲームや、聞き手側の工夫によって情報を聞き出すYes/Noゲームを行い、言語聴覚障がいに対する理解を深めていただきました。また、今回の授業にあたって、言語聴覚障がい者とのコミュニケーションのコツをまとめたチラシを作成しました。
授業開始時の<言語聴覚士について知っている人?>という質問には2~3名程度しか手を挙げませんでしたが、終了後のアンケートでは全員が「言語聴覚士についてよく理解できた/やや理解できた」と回答し、半数以上から「とても楽しかった」と好評をいただきました。
(もし身近な人が言語聴覚障がいになったら)「この授業で学んだコミュニケーションのコツを生かして、コミュニケーションをしたい」「話しやすい雰囲気を作ったり、声がけをしたい」「話すことを諦めず、今日教わったコミュニケーションのコツをもとにたくさんコミュニケーションをとるようにしたい」といった感想が寄せられ、これまで身近に知る機会がなかった言語聴覚障がいに対して、少しでも関心を持ってもらうことができたかなと思います。
明和中学校の皆さん、当事者団体の皆さん、ご協力いただきありがとうございました。