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迅速・簡便な新型コロナウイルス検出PCRキットの新規開発について

 この度、本学大学院 木村博一教授がタカラバイオ株式会社との共同研究により、迅速・簡便な新型コロナウイルス検出PCRキットを開発し、「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」として、タカラバイオ株式会社より市販されましたのでご報告いたします。
 現在まで、新型コロナウイルスの検査は、リアルタイム逆転写PCR法(qPCR)を主体に行われており、結果を得るまでにいくつかの行程があります。まず、最初の行程として、臨床検体(鼻腔ぬぐい液など)に含まれるRNAを抽出する必要がありますが、この行程には約1時間必要でした。しかし、本キットでは、共同開発した独自技術による簡便な前処理操作のみで、この工程を10分程度にまでに短縮することができます。さらに、タカラバイオ株式会社の高速qPCR技術の採用により、PCRに要する時間も大幅に短縮されたため、検査時間が従来法に比し、半分以下の約1時間に短縮可能となりました。
 また、本キットは、qPCR検査に必要な調製済みの全ての試薬(簡易抽出試薬、PCR酵素液、プライマー/プローブ、陽性コントロールなど)が含まれており、煩雑な準備作業が不要です。検体の前処理法も、簡易抽出試薬を反応チューブに添加し、加熱するだけという非常に簡便かつ単純になっているだけでなく、ウイルスも不活化されるため、安全かつ安定した結果を得ることが期待できます。さらに、現在市販されている複数のqPCR装置にも対応可能です。
 加えて、本キットは、タカラバイオ株式会社が開発した検体由来成分による反応阻害を受けにくいPCR酵素を採用しているため、従来法とほぼ同じ感度と精度(50コピー/反応)が得られることも確認しております。また、本キットは、厚生労働省・国立感染症研究所の臨床検体を用いた評価結果を取得しており、行政検査に使用できるだけでなく、公的医療保険の適用対象ともなります。

※関連サイト:タカラバイオ株式会社 迅速・簡便な新型コロナウイルス検出PCRキットを販売開始 (2020年4月30日公表)

教員紹介ページ:木村博一教授

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