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言語聴覚学科

授業紹介「失語症学」(言語聴覚学科2年次科目)

 この授業では、失語症の定義および症状を理解し、失語症者やそのご家族が直面する困難をとらえ、コミュニケーションや社会面など様々な面での支援に繋がる基本事項を学びます。

 

▼失語症とは・・・

 脳梗塞や脳内出血などの脳血管疾患や交通事故などにより脳が損傷されることで、「話す」「聞く」「読む」「書く」などの機能が障がいされた状態です。

 相手の言葉はわかっているのに自分では思うように言葉にできなかったり、頭に単語は浮かんでいるのに文を組み立てられなかったりと、様々な症状があります。

 

 今回は、失語症者である池田 博之さんと、池田さんをご担当されている鵜飼リハビリテーション病院(名古屋)の言語聴覚士 伊藤 梓 先生と森田 秋子 先生をオンラインで結び、ご講演いただきました。

 まず、池田さんに失語症の発症から時系列に沿って、症状やリハビリの様子、ご自身の気持ちなどを伊藤先生と対談形式でお話いただきました。伊藤先生には言語聴覚士の立場から見た池田さんの症状やリハビリの内容等も解説していただきました。

 次に、森田先生からは、言語聴覚士の役割や責任、失語症者その人らしさを尊重することの大切さ、社会参加が重要であることをお話しいただきました。

 ご講演後、生活の中での場面を想定し、失語症者がどのような事に困るのか、ゼミごとにディスカッションしました。また、普段から授業で要点をまとめて伝えるなど、失語症者とのコミュニケーションを意識しています。今回も失語症の方にどのように伝えるかを工夫して発表しました。

 発表に対して池田さんから「イラスト、図、漫画のような絵があった方がわかりやすい」こと、コミュニケーションはありとあらゆる手段を使って欲しい、私たちが便利としているネット予約が池田さんにとっては「文字を読むことが大変」である等、具体的なご指導をいただきました。

 池田さん、伊藤先生、森田先生、このたびはご講演いただき、ありがとうございました。

 今回のご講演と、池田さんからいただいた失語症者とのコミュニケーションに対するご指導は、将来様々な施設で働く学生にとって大きな経験となりました。この経験をもとに、患者さんひとりひとりに“寄り添う”ことができる言語聴覚士になってほしいと思います。

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